2010年9月3日金曜日

白馬三山 (白馬岳2932m、他)~唐松岳(2696m)

当初は雪渓を登って白馬三山を縦走し、温泉がある白馬鑓温泉小屋に行こうという計画だった。
しかし、不帰キレットをやろうとミノさんが言い出し、さらになぜか栂池から縦走しようという話になった。
2日木曜日退社後の夕方19時にミノさんと広島を出発し、夜通し走り続けて目的地の白馬八方第2駐車場に到着したのが翌朝の4時前。
6時半始発の栂池高原行きのバスが来るまで車の中でウトウトと眠りながら待つ。

梅雨に入って以来あまり山に行けず運動不足気味なのに加えこの睡眠不足。
しかも前の週にひいた風邪が治りきっていないコンディションで、幕営装備一式が入った14kgのザックを担いで歩けるのか。。
か~な~り、不安を感じつつバス停に向かったのであった・・・
(いきなり弱気&言い訳モード)

【初日】
栂池高原には7時頃に到着。
8時始発のゴンドラに乗って標高1850mまで一気に上がる。
この時見えた白馬三山は、上の方がややガスっているものの天気は上々でこれからどんな景色が見れるのかワクワクしていた。
しかーし・・・・・
栂池山荘から登り始めしばらくするとガスがどんどん濃くなってくる。
天狗原、乗鞍岳はほとんど眺望はなく、白馬大池でやや晴れるもその後再びガスにまかれる。
天気予報は「晴れ時々曇り」だったのに何でこうなるんだ?!
と、大外れの予報に少々ムカつきながら歩き続ける。

気持ちを切り替え、子供らが見たいと言っていた雷鳥を探して写真を撮ったりしながらチンタラ歩いているうちにどんどん風が強くなってくる。
あげくに小蓮華山を過ぎて、白馬岳山頂に到着する少し前には横殴りの雨が降ってくる始末。
当然山頂からは何も見えず(泣)。
視界10数メートルの中をやや迷いながらこの日の幕営予定地の白馬岳頂上宿舎に到着したのが16時半。(遅過ぎ)

こんな日にテント泊の人が他にもいるのかと思えば、5~6張りほど先客がいた。
受付を済ませ強風の中、何とかテント設営に成功。
風でフライシートが押し潰され室内まで変形し、しまいには雨水が中に浸みこんでくるが気にせず宴会を開始する。
冷え切った体に焼酎の湯割りがうまく、20時前には沈没してしまったと思うが例によって記憶が定かではない。
よほど疲れていたからか、このとんでもない状況下でも問題なく朝まで爆睡したのであった。

白馬八方アルピコバスターミナル
白馬八方アルピコバスターミナル posted by (C)TN
八方第2駐車場の目の前にあります。

ゴンドラの中
ゴンドラの中 posted by (C)TN

ゴンドラの中から見る白馬三山
ゴンドラの中から見る白馬三山 posted by (C)TN
この時は天気が良かったのだが・・・・

天狗池
天狗池 posted by (C)TN

乗鞍岳頂上
乗鞍岳頂上 posted by (C)TN
何も見えず・・・

小蓮華山への登山道
小蓮華山への登山道 posted by (C)TN

雷鳥
雷鳥 posted by (C)TN
後で知ったことだが、雷鳥が姿を現すと天気が荒れるらしい。
(山本隊長情報)

雷鳥坂
雷鳥坂 posted by (C)TN
雷鳥坂から白馬大池方面を振り返った時、一瞬の晴れ間がのぞくが・・・

雷鳥
雷鳥 posted by (C)TN
再び雷鳥を見てしまう。。

小蓮華山頂上
小蓮華山頂上 posted by (C)TN
すると、天候はどんどん悪化。
もう、ほとんど何も見えず。

白馬岳頂上
白馬岳頂上 posted by (C)TN
風と雨が強烈。写真だけ撮ってさっさと先に進む。

テントの中
テントの中での宴会 posted by (C)TN
これだけはどこでやっても楽しい。



【2日目】
翌朝4時過ぎ、強風でテントが顔に被さり息苦しくて目が覚める。
この日も雨だったら下山することも考えていたのだが、外に顔を出してみるとなんと雲一つない満天の星!
狂喜しながら日の出が見れそうな近くの岩場まで登ると一面もの凄い雲海となっている。
初めて見る絶景に感動しつつ、強烈な風で寒いのを我慢して日が昇るのを待つ。
ご来光を堪能してから、強風の中を再び苦労してテントを撤収。
後で気がついたのだがテントポールがひん曲がっていた。
あの風の中、一晩よくもったものである。

風がしのげるトイレの中にばらばらの荷物を移動させパッキングし、朝食代わりにソイジョイを一本食べて杓子岳~白馬鑓を目指して歩きはじめる。
下は一面雲海で覆われ、まさに天空ウォーキング。
もう最高の気分である。
鑓ヶ岳山頂で行動食を口にしながら一息ついていると、昨日もずっと最後まで一緒だった宇都宮から来られたという2人組みと再び出会う。
この時は天狗山荘に泊まると言っていたのだが・・・

2人組と同じようなペースで天狗山荘に到着したのが、不帰キレットをやるにはギリギリの11時前。
上空に雲一つない稜線上の日差しは強烈で、いつの間にか風も止み気温は相当上がっている。
個人的にはいい加減バテていて今日はここで泊まりでもいいやくらいに思っていたのだが、いつになく強気なミノさんが唐松岳頂上山荘まで行くという。
2人組も気が変わったのかまだ歩くらしい・・・

ここからはきつかった。
まず最初の天狗ノ大下りだけで相当消耗した。
そして、今回の核心部ともいうべき不帰キレットに挑むが、怖いのもさることながら体力的にしんどかった。
一峰、二峰(南北峰)、三峰そして唐松岳といったい何回厳しい登り下りをしたのかよく覚えていないが、山頂に着いたときにはもう完全にヘロヘロ状態。
そこから唐松岳山荘まで下るなり、何はともあれまずはビールを2本ほど一気に飲んで一息つける。
途中から水を切らせてしまい、喉が渇ききっているからうまくないわけがない。

山荘はかなり人が多くテン場も思いのほか混んでいた。
ちなみに、ここのテン場はこれでもかというくらい山荘から下らされる。
一旦降りると登り返しがめんどくさいので、ダラダラと飲みながら夕日を眺めたりトイレに行ったりして時間を過ごし、結局テント設営は日没後になってしまった。
この日は風がないので、ものの数分で設営し再び宴会に突入。
富山から来られたという隣りの方と何だかんだと盛り上がり寝たのは21時半頃であった(と思う)。

日の出
日の出 posted by (C)TN

日の出
日の出 posted by (C)TN
幻想的な景色・・・・

杓子岳方面
杓子岳方面 posted by (C)TN

杓子岳方面
杓子岳方面 posted by (C)TN
濡れたテントが異様に重い。。

白馬岳
白馬岳 posted by (C)TN
山頂直下にあるのが白馬山荘で、下の岩場の影に見えるのが白馬岳頂上宿舎。

白馬岳をバックに
白馬岳をバックに posted by (C)TN
最高の天気に上機嫌の2人。

剣岳
剱岳 posted by (C)TN

杓子岳と白馬鑓
杓子岳と白馬鑓 posted by (C)TN

雲海と太陽
雲海と太陽 posted by (C)TN
見事な雲海。

杓子岳頂上
杓子岳頂上 posted by (C)TN
ここらあたりはまだまだ余裕。

雲海
雲海 posted by (C)TN
どこまでも続く雲海。
この日はずっとこんな景色を見ながらの縦走。

雪渓と雲海
雪渓と雲海 posted by (C)TN

白馬鑓への縦走路
白馬鑓への縦走路 posted by (C)TN

残雪
残雪 posted by (C)TN

鑓ヶ岳山頂から望む白馬岳と杓子岳
鑓ヶ岳山頂から望む白馬岳と杓子岳 posted by (C)TN
真ん中が白馬岳で右が杓子岳。左のピークは??

鑓ヶ岳山頂から望む天狗ノ頭方面
鑓ヶ岳山頂から望む天狗ノ頭方面 posted by (C)TN

鑓ヶ岳山頂から望む立山連峰
鑓ヶ岳山頂から望む立山連峰 posted by (C)TN

雲海をバックに
雲海をバックに posted by (C)TN

鑓ヶ岳の斜面と雲海
鑓ヶ岳の斜面と雲海 posted by (C)TN

雲海に浮かぶ天狗山荘
雲海に浮かぶ天狗山荘 posted by (C)TN

天狗山荘の水場
天狗山荘の水場 posted by (C)TN
雪渓の水は冷たくて最高にうまい。
ただ、ここで十分に水を補給しなかったためにあとでひどい目に会う。

天狗ノ頭頂上
天狗ノ頭頂上 posted by (C)TN

天狗岩稜
天狗岩稜 posted by (C)TN

不帰キレット
不帰キレット posted by (C)TN
ここからいよいよ不帰キレット。

天狗ノ大下り
天狗ノ大下り posted by (C)TN
大下りを下るミノさん。いきなり難所。

一峰の頭
一峰の頭 posted by (C)TN
確かにここまで来てしまったらもう帰れない(遠すぎて)。

不帰キレット二峰
不帰キレット二峰 posted by (C)TN

二峰への登り
二峰への登り posted by (C)TN
先行する2人組が岩にへばりついているのがわかるだろうか?

二峰を登るミノさん
二峰を登るミノさん posted by (C)TN

後ろを振り返る
後ろ(下)を振り返る posted by (C)TN
くぅ~、写真じゃわからないけどかなりの高度感。

後ろを振り返る
後ろを振り返る posted by (C)TN

唐松岳山頂からの眺望
唐松岳山頂からの眺望 posted by (C)TN
この頃はもうボロボロ。
よく写真なんか撮ってる余裕があったと思う。

唐松岳頂上
唐松岳頂上 posted by (C)TN

唐松岳頂上山荘
唐松岳頂上山荘 posted by (C)TN
テン場があんなに下の方に・・・・・

唐松岳山荘からの眺望
唐松岳山荘からの眺望 posted by (C)TN

雲海に沈む太陽
雲海に沈む太陽 posted by (C)TN

宴会風景
宴会風景 posted by (C)TN
あれだけボロボロになりながら飲み始めると復活するから不思議なものである。



【3日目】
朝4時過ぎに起床。
前夜は地面が斜めの場所に相当いい加減な設営したものだから、夜のうちにテントの位置がかなり動いていた(笑)。
この日も快晴で、既に大勢の人が起きて写真撮影体制でスタンバっている。
中には唐松岳まで登ってる人もいるが、とてもそんな気になれず山荘の裏山までトボトボ歩いて行く。
日が昇るにつれて、この日もすごい景色が現れてくる。

あとはもう八方尾根を下るだけなので余裕がある。
カップラーメンと隣りの方から頂いたパンの朝食を済ませ(そう言えば前夜はサンマの缶詰をご馳走になっている)、湯を沸かしてコーヒーなんかを飲んだりしてゆっくりと朝の時間を過ごした。
7時半頃に出発し、八方池には9時過ぎに到着。
ここまで来るとさらに人は増え、雑誌でしか見たことがないような格好をした山ガールもたくさんいる。
ちなみにこの日も日差しが強烈でみっとないほど日焼けしてしまった。。

11時前には下山、駐車場近くの蕎麦屋「まえだ」の開店と同時に入店/食事をして、温泉に浸かり帰途についたのが13時前くらい。
何度か渋滞に巻き込まれながらも23時には自宅に戻れたのであった。

結局3日間で踏んだピークは白馬乗鞍岳(2436m)、小蓮華山(2766m)、白馬岳(2932m)、杓子岳(2812m)、白馬鑓ヶ岳(2903m)、天狗ノ頭(2812m)、唐松岳(2696m)の計7座。
雨、風、雷鳥、テント泊、宴会、2日目以降の完璧な天気に絶景、と最高に楽しい3日間であった。
不帰キレットは本当にしんどかったが、やり終わった今となっては妙な達成感がある(笑)。

日の出前
日の出前 posted by (C)TN
この日も天気は最高。

ご来光
ご来光 posted by (C)TN
なぜかピントが合わない。

赤く染まる唐松岳
赤く染まる唐松岳 posted by (C)TN

赤く染まる不帰キレット
不帰キレット posted by (C)TN

絶景なり
絶景なり posted by (C)TN

撤収前のテント
撤収前のEJ's Tent posted by (C)TN

下山途中の景色
下山途中の景色 posted by (C)TN

五竜岳
五竜岳 posted by (C)TN
出発前はここまで行こうなどと無謀なことも考えたっけ(笑)。

八方尾根から望む不帰キレット
八方尾根から望む不帰キレット posted by (C)TN

丸山ケルン
丸山ケルン posted by (C)TN

八方池から望む白馬三山
八方池から望む白馬三山 posted by (C)TN

リフト
リフト posted by (C)TN
歩いて下ることを一瞬想像しただけで気分が悪くなった。

リフト乗り場から飛び立つパラグライダー
リフト乗り場から飛び立つパラグライダー posted by (C)TN

そば定食
そば定食 posted by (C)TN

9 件のコメント:

ganz さんのコメント...

お二人がやけに日焼けしている、という噂を聞きましたがこういうことだったんですね(笑)
結構無茶な日程で行かれたようで・・・
歩幅15cmくらいで歩いてる姿を想像して少しニヤけました。
ずいぶんご無沙汰していますが、また行きましょう!

山本隊長 さんのコメント...

どうも!
小蓮華山あたりで、雪倉岳を駆け上がっている私が見えませんでした。
今度、ミノさんかどっちか私のテント運びのポーターを頼みますよ。
いつか、白馬のあっち側に足を運んでみたいですが不帰は無理そうだな。

TN さんのコメント...

ganzさん、久しぶり!
本当は楽勝でしたが、おもしろおかしく書いてみました。
なーんて、君の方こそちゃんと生きてるのかね?
ほとんど山にも行ってないことだろうからさぞ体がなまっているいることでしょう。
鍛えてあげるから声をかけてきなさい(笑)。

TN さんのコメント...

山本隊長、こんばんは!
雪倉岳を駆け上がる隊長がみれなくて残念でした(笑)。
それにしても、今回は本当に偶然でしたねー。
でもテントのポーターは無理です。
酒運び専用のポーターを雇いたいと思ってるくらいなので(笑)。

ganz さんのコメント...

お察しの通り、7月に久住に行って以来山へは行っておりません。
しかし体力はまだまだ大丈夫でしょう!
お二人が負けを認めるなら、takさんと2人で酒運びポーターやってもいいですよ(笑)

tak さんのコメント...

こんばんは~
おおーっと、不帰ノ嶮をやってきたんですね。楽しそう・・。通常の連休でいくなんてほんとタフですね。長野までのアプローチが既に核心ですよ(笑)
ちなみに夜は寒かったですか??私も今週末に北アに行こうかなと思っていますが、寝袋どうしよかな・・と迷い中です。

TN さんのコメント...

takさん、久しぶり。
シュラフに関しては会社メールで連絡した通りでモンベルの#5で問題なかったよ。
北アは剣岳だそうで。
くれぐれも気をつけてね。
それと、涼しくなってきたからまた宴会登山をやろう!

ミノ さんのコメント...

こんばんは、
あんなところに行って、スゲ~ことしてきたので今は気が抜けてますよ。
広島の山が紅葉の季節になるまでラグビーでも楽しみますよ。
今度私の試合でも見に来てくださいね。

TN さんのコメント...

ミノさん、こんばんは!
このたびはいろいろとお世話になり、本当にありがとうございました。
最高の3日(4日?)間でしたね。
不帰ノ嶮は本当にきつくて高校時代の野球部の練習を思い出しました。
しかし、記憶は既に美化されていてまたどこかのキレットがやりたくなってます(笑)。
次はどこに行きましょうか?
いっそのこと大キレットでもやっちゃいますかね!ていうのは冗談でまあボチボチやりましょう。
また、次を楽しみにしています!